こんにちはブンです。
あと1キロでエネルギー切れ。
だれも何も手助けしてくれない。
「ブ~、フ~」
声を少し出しながら
大きく深呼吸をして
まだ痛みのない腕を大きく振って、
推進力とする。
痛みは変わらない。
歩いても良いけど、
あと1キロなんだ。
なんとか走って終わりたい。
でもこのままじゃダメだ。
何か思考方法を変えなければ。
ガチャッと機械音がなる。
突然、頭の中のカセットテープが
流れ始める。
ドン・ドン・ドッド・ドン・ドン・ドッド
???
「ベイビ~♪
アイドンリリワナノ~♪」
なぜかパワーソングとして、
オアシスの
「live forever」
が流れてきた。
なぜその歌なのか、今ふりかえっても
よくわからない。
ただ浮かんできたんだ。
それにあわせて、
声を出してうたいながら走る。
そうしないと歩みをとめてしまいそうだから。
なにをモゴモゴうたってんだ?
とか周囲の視線とかどうでもいい、
うたって、自分を奮い立たせる。
うたって、うでをひたすらふって
ゴールへ向かう。
あと500メートル。
「リブ フォ~エバ~♪
リブ フォ~エバ~♪♪」
くりかえしうたう。
一歩一歩ゴールに近づく。
「リブ フォ~エバ~♪
リブ フォ~エバ~♪♪」
身体が右に傾く。
ロス五輪、女子マラソンのアンデルセン選手
のようだ、とふと冷静な自分がいる。
立て直す。
あと50メートル。
また身体が右に傾く。
立て直す。
ゴールラインが近づく。
みんな、ガッツポーズをして
ゴールしている。
自分も最後はちゃんとゴールしよう。
腕をなんとか上げる。
ゴール!!!
よろけながら、
ストップウォッチをとめる。
タイムは4時間9分8秒。
遠かった~。
最後の最後にえらい波がきたけど、
のこり1キロだったから、
なんとかゴールへ。
スムーズな誘導で、
ナイロン袋をもらい、
その中に、
飲み物・水・パン・バナナ・ゼリー‥
たくさんの給食が配られる。
そして、記念のタオルとメダル。
そのまま荷物受取場所に。
ボランティアの方から荷物を受け取り、
長かったマラソンも終了。
第1回大阪マラソンということで、
運営は、ギクシャクしながら進んでいくのかなと
心構えしていました。
しかし!
本当にすばらしい大会でした。
まあ、初マラソンだったので
他と比べることはできないですけど。
いろんな声をかけてくれる
応援のあたたかさやおもしろさ。
(内気な自分ですら、見知らぬ人たちとハイタッチ!)
応援で印象に残っているのは、
国道26線で、右車線を走っているランナーに、
左車線の向こうから一人で、大声で、
「がんばれ~!がんばれ~」と叫んでいた小学生くらいの女の子。
(こちらもおもわず思い切り手をふりました)
あと、30キロすぎくらい?で、
道路でスーパーマリオの音楽を流しながら、
マリオの全身着ぐるみの格好で
ジャンプしたり手をふっていたりした
若い女の子。
そのセンスすてき、パワーもらいました。
こちらもコスプレしていれば、
もっともっと楽しめたかな。
タオルやメダルもめちゃくちゃかっこよし。
何より、大阪の名にかけて
もてなしの限りをつくしてくれた
ボランティアの皆様方、
それを指揮した主催者に
「ありがとう」といいたいです。
個人的には、目標タイムどころか
4時間切りすら達成できず、
走ることだけにほぼ集中していたので、
大阪マラソンを祭りとしてはあまり楽しめず。
「あんた、中途半端やわ~」と
大阪のおばちゃんならつっこみそうです。
レースとしての難しさをあじわう結果と
なってしまいましたが、、
本当にいい経験になりました。
もちろん第2回にも応募します。
よかったこともいくつか。
まず、まったく歩かず走ることができたこと。
トイレに1回もいかなかったこと。
そして、2週間がまんしていたビールが、
最高に
美味しかった
こと。
この1杯のためなら、
また42.195キロ走るのも悪くない。
そう思ったブンです。