きのこ

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2013/09/0313:04 その他
愛すべき美少年

こんにちは。ガチャピンです。
 
 
今日は、ギリシャ神話に登場する超イケメンの
ちょっとお間抜けな、悲劇の話。
 
 
彼の名は「ナルキッソス」
 
お察しの通り「ナルシスト」の語源です。
 
 
 
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
 
ギリシャ神話のお偉いさん「ゼウス」が
呆れるほどの浮気者である事は有名ですよね。
そしてその妻「ヘラ」が恐ろしく嫉妬深い美女だという事も…
 
このお話の発端はゼウスの浮気です。
(この類のお話は多いです;)
 
 
 
ある時ゼウスはお気に入りのニンフ(妖精の事)の元へ
せっせと通いつめていたのですが、
これがヘラにバレるんですよね。
まぁバレますね。いつもバレます。
 
それに彼女は怒り狂い、
現場を押さえる為にニンフ達の山へ向かいます。
お腹にどす黒い感情をたぎらせて…
 
 
ところが、このヘラの出陣をいち早く察知したニンフがいました。
名前は「エコー」。
お喋り好きな陽気なニンフです。

 
このエコーはヘラの到着よりも早くに事態をニンフ達に知らせます。
もちろんそこに居合わせたゼウスにも。
おかげで2人はヘラの雷から逃げおおせる事ができたのですが…
 
 
ここで火の粉はエコーに降りかかります。
 
ヘラの怒りの標的がエコーにロックオンされたのです。
 
「よくも邪魔をしてくれたわねっ!このお喋り女!
あんたなんかもう、自分から話ができないようにしてやるっ」プンプン!!
 
 
てな感じでエコーはオウム返ししか出来ないよう魔法をかけられてしまいます。
これが「エコー(こだま)」の語源なのですが、そんな事より
なんと可哀想なエコーちゃん。とんだトバッチリですよ。
 
 
 
そんなエコーちゃん、実は男の趣味も可哀想なんです。
 
エコーが恋した相手こそが「ナルキッソス」なのですが(やっと登場しました)
どういう男なのかと言いますと、文頭にも書いた通り超イケメン。
それ故か、自惚れが強く傲慢で冷酷、女性の好みにもうるさい…
ちょっとヤな感じですよねー。
 
 
でもエコーはずっと彼に声を掛けられるのを待っていました(←自分から話せないから)
そしてやっと声をかけてもらえる時が来るのですが、
なんせオウム返ししかできません。
しかも彼のタイプじゃなかったみたいで
 
「お前つまんねー。どっかいけ。」
 
と、冷たーく突き放されます。
 
悲しみと絶望に打ちひしがれた恋する乙女エコーは
その体を保つ事が出来なくなり、声だけの存在(こだま)となったのです。グスッ
 
 
 
態度の悪いナルキッソスは、当然よそでも恨みをかっていた訳で。
エコー以外のニンフも彼に冷たくあしらわれていたのです。
 
そこで1人のニンフがある女神様に泣きつきます。
「あいつにも報われない恋の辛さを…!」って。
 
…モテる男も辛いのね。
 
で、女神様はナルキッソスにある罰を与えるんですね。
 
 
 
 
ある時、ナルキッソスは喉が渇いて
森の湖の水を飲もうと、水面に顔を近づけます。
 
すると。
 
そこにはなんとも美しいニンフがいるじゃないですかー!
 
 
そうなんです。女神様の罰で、水面に映る自分の顔を美しいニンフと間違えて、
あろう事か恋をしてしまったのです。
 
「こんなにも美しい生き物がいるなんて・・・」うっとり。
 
 
そして彼は湖の畔からひと時も離れず、その姿に魅入ってしまいます。
ずっとずっと。ずーっと。
 
そうしている間に彼はやせ細り、死んでしまいました。
彼の亡くなった後には白い花びらの水仙が咲いたそうです。
 
 
 
おわり◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
 
 
 
後ろ向きな感情ばかりで物語が進んでいくなか、
エコーの純真さが光りますね。
 
なんて真面目にコメントするのもどーかと思うような内容ですが、
神話の一部です。
さすが想像力が半端じゃありません。
 
 
でもね、ナルキッソス。
ヤな奴ではありますが、読み返してみると
それ程悪いことしてないですよね。
 
女子の反感をかったばかりにあんな最期だし。
水仙咲かせてきれいな感じにしてるけど
結局「ナルシスト=自惚れ」の語源になっちゃってるし。
 
ちょっと可哀想かな。
※絵で見ると笑えてしまう
 
 ナルキッソス.jpg
 

 

 

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