こんにちは。ガチャピンです。
今日は、ギリシャ神話に登場する超イケメンの
ちょっとお間抜けな、悲劇の話。
彼の名は「ナルキッソス」
お察しの通り「ナルシスト」の語源です。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ギリシャ神話のお偉いさん「ゼウス」が
呆れるほどの浮気者である事は有名ですよね。
そしてその妻「ヘラ」が恐ろしく嫉妬深い美女だという事も…
このお話の発端はゼウスの浮気です。
(この類のお話は多いです;)
ある時ゼウスはお気に入りのニンフ(妖精の事)の元へ
せっせと通いつめていたのですが、
これがヘラにバレるんですよね。
まぁバレますね。いつもバレます。
それに彼女は怒り狂い、
現場を押さえる為にニンフ達の山へ向かいます。
お腹にどす黒い感情をたぎらせて…
ところが、このヘラの出陣をいち早く察知したニンフがいました。
名前は「エコー」。
お喋り好きな陽気なニンフです。
このエコーはヘラの到着よりも早くに事態をニンフ達に知らせます。
もちろんそこに居合わせたゼウスにも。
おかげで2人はヘラの雷から逃げおおせる事ができたのですが…
ここで火の粉はエコーに降りかかります。
ヘラの怒りの標的がエコーにロックオンされたのです。
「よくも邪魔をしてくれたわねっ!このお喋り女!
あんたなんかもう、自分から話ができないようにしてやるっ」プンプン!!
てな感じでエコーはオウム返ししか出来ないよう魔法をかけられてしまいます。
これが「エコー(こだま)」の語源なのですが、そんな事より
なんと可哀想なエコーちゃん。とんだトバッチリですよ。
そんなエコーちゃん、実は男の趣味も可哀想なんです。
エコーが恋した相手こそが「ナルキッソス」なのですが(やっと登場しました)
どういう男なのかと言いますと、文頭にも書いた通り超イケメン。
それ故か、自惚れが強く傲慢で冷酷、女性の好みにもうるさい…
ちょっとヤな感じですよねー。
でもエコーはずっと彼に声を掛けられるのを待っていました(←自分から話せないから)
そしてやっと声をかけてもらえる時が来るのですが、
なんせオウム返ししかできません。
しかも彼のタイプじゃなかったみたいで
「お前つまんねー。どっかいけ。」
と、冷たーく突き放されます。
悲しみと絶望に打ちひしがれた恋する乙女エコーは
その体を保つ事が出来なくなり、声だけの存在(こだま)となったのです。グスッ
態度の悪いナルキッソスは、当然よそでも恨みをかっていた訳で。
エコー以外のニンフも彼に冷たくあしらわれていたのです。
そこで1人のニンフがある女神様に泣きつきます。
「あいつにも報われない恋の辛さを…!」って。
…モテる男も辛いのね。
で、女神様はナルキッソスにある罰を与えるんですね。
ある時、ナルキッソスは喉が渇いて
森の湖の水を飲もうと、水面に顔を近づけます。
すると。
そこにはなんとも美しいニンフがいるじゃないですかー!
そうなんです。女神様の罰で、水面に映る自分の顔を美しいニンフと間違えて、
あろう事か恋をしてしまったのです。
「こんなにも美しい生き物がいるなんて・・・」うっとり。
そして彼は湖の畔からひと時も離れず、その姿に魅入ってしまいます。
ずっとずっと。ずーっと。
そうしている間に彼はやせ細り、死んでしまいました。
彼の亡くなった後には白い花びらの水仙が咲いたそうです。
おわり◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
後ろ向きな感情ばかりで物語が進んでいくなか、
エコーの純真さが光りますね。
なんて真面目にコメントするのもどーかと思うような内容ですが、
神話の一部です。
さすが想像力が半端じゃありません。
でもね、ナルキッソス。
ヤな奴ではありますが、読み返してみると
それ程悪いことしてないですよね。
女子の反感をかったばかりにあんな最期だし。
水仙咲かせてきれいな感じにしてるけど
結局「ナルシスト=自惚れ」の語源になっちゃってるし。
ちょっと可哀想かな。
※絵で見ると笑えてしまう