こんにちはブックです。
本日紹介するのは
凪良ゆうさんの「流浪の月」です
以下ネタバレ含みます
まずはじめに、この物語は、
決して恋愛小説ではありません。
預けられた叔母の家で問題を抱え、
誰にも言えず苦しむ少女、家内更紗と、
身体的な問題を抱えて苦しむ大学生、佐伯文。
この主人公ふたりの純愛小説です。
2人はどちらも世間からとがめられるような
ことはしていないのに、
一人は性犯罪者として、
もう一人はその犯罪者に洗脳され、
精神が正常ではない可哀そうな子として
好奇な目にさらされます。
有識者やちょっとした有名人が
コメンテーターとしてワイドショーで話すことや、
ネットに挙げられた動画や書き込みが全て
のように人々の記憶に刷り込まれていく。
偏見や思い込みほど当事者にとって怖いものはありません。
事実と真実の違いってなんだろう、
この小説のメインテーマ、事実と真実・・・。
世間が情報に踊らされ、事実と真実の区別も
つかないような人たちが正義を振りかざして騒ぎ立てる、
その渦中におかれても沈黙を守り、
ただただ心からお互いを思いやって生きていく
と決めた2人の切ない切ないお話でした。
映画化もされているので、
是非小説を読んでから観に行ってください。
タイトル『流浪の月』の意味は、小説の方が沁みますよ。